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Pには118、Qには153名に回答がありました.単純計算すると、ひとりあたり1.30の職を得ていると言うことです.実際はひとつの人が多いです.


現在の所属と職種

現在の年令と最初に職についた時の年令、および、常勤職についた時の年令、性別

出身大学

分野

職に対する価値

アンケートへの感想など自由記入

理不尽な経験

職さがしの苦労

子育て

女性としての苦労/問題

将来への不安

就職後の苦労

理想とする制度や就職制度への提言

その他、現状や経験

アンケート全体への意見



現在の所属は

大学院のある国公立大学 36
公的機関(独立法人を含む) 27
大学院の有る私立大学 18
企業/民間団体 17
プロジェクト(国内) 4
プロジェクト(海外) 11
大学院のあるその他の大学
高専 1
フリー 1

現在職種はいわゆる大学の先生が多いのでしょう.次がPDです.

常勤・期限なし教育機関教員 28
国内博士後研究員(ポスドク) 17
企業研究員 12
期限なし常勤の研究所研究員 11
海外博士後研究員(ポスドク) 12
期限付きまたは非常勤の研究所研究員 9
常勤・期限付き教育機関教員(いわゆる期限付き助手など) 6
技術系専門職 7
技術員/教務職員 3
非常勤教員(非常勤講師など) 2
海外での大学や研究機関等のテニュア職 1
その他(求職中を含む) 8
無記入 2

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現在の年令

30台 81
20台 24
40台 13

最初に職に付いた時の年令

20台後半 75
30台前半 17
20台前半 21
無記入 5

常勤職に付いた時の年令

30台後半以降で常勤職についたという回答がありませんでした。

まだ 45
20台後半 33
30台前半 18
20台前半 15
無記入 7


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性別  男性の方もたくさん書いて下さっています.

女性 95
男性 21
無記入 2

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出身大学など

以下のようになっています。おそらくこのアンケートに答えると言うことは、それなりに就職問題や研究環境に問題意識をあるという人が多いでしょう。例えば、性別。現場では男女比が21:95などあり得ないので、たいへんサンプルに偏りがあるということです。

それを考えても、旧帝大は東大を含めると出身大学で49、大学院では57となります。大学名を別途記入して下さった方が、岡山大、京都大、千葉大、筑波大、福井大、米国Hunter大学がありました)

大学院にいくと東大、旧帝大の率が高くなるという傾向もありました.

出身大学 出身大学院博士 出身大学院修士
その他の国立大(千葉大、筑波大、福井大、岡山大を含む) 39 その他の旧帝大(京大、九州大、名古屋大を含む)(東大を含めば57) 38 その他の旧帝大(九州大学を含む) 39
その他の旧帝大(京大を含む)(東大を含めば48) 32 東大 19 その他の国立大(筑波大、千葉大、岡山大を含む) 33
私立大 21 その他の国立大(筑波大を含む) 18 東大 17
東大 16 私立大 9 私立大 9
公立大 6 公立大 4 公立大 1
海外(米国Hunter大学)を含む 2 海外(米国コ−ネル大学を含む) 2 海外 1
高専 1 未取得または取得の予定なし、在学中 27 未取得 7
医歯、学部6年なので修士はない 5
その他 1 その他 2 その他(論文博士1を含む) 3
無記入 0 無記入 6 無記入 3

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分野

生物系がもっとも多く、次が工学系、化学系で、いわゆる文系の方が少なかったです。

生物系 35 工学 16 化学系 15 人文社会系 物理系
生物学/ライフサイエンス 7 機械工学 2 化学 3 人文社会系 1 地球物理 1
神経科学/神経生物学 5 工学 1 無機化学 3 遠隔教育学 物性物理 1
分子生物学/分子遺伝学 4 衛生工学 1 biochemistry 1 教育学 理論物理 2
細胞生物学 5 香りの分析 1 化学材料関係 1 憲法学 1
発生生物学 1 細胞工学 1 電気化学 1 人文科学 3
構造生物学 2 材料科学 2 大気化学/分析化学 1 国文学
寄生虫学 1 情報科学 1 物理化学 1 政治学 1
遺伝学 1 数値流体力学 1 分析化学 3
バイオプロセス 1 制御工学 1 食品化学 1
生物物理 1 土木環境工学 1
生理学 2 半導体 1
動物行動学 1 分析 1
医療情報処理 1 高電圧工学 1
発生再生医学 1 細胞工学 1
医学 1
植物生理 1

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価値(複数回答)

自己実現 89
生活手段 89
生き甲斐 58
社会貢献 49
無記入 1


職に対する価値観その他の意見には様々なものがありました.

アイデンティティーくらいまで食い込んでいるので、好きな仕事に出会えて本当に良かったと思っています。
アイデンティテイーそのものとも言えます。好きな仕事に巡り会える人はそう多くないので、辛くても夢叶わなくても、夢を持てただけ幸せかも。
アイデンティティーそのものになりつつあります。我慢も努力も工夫も社交性も全て仕事を通して身につけました。自分を社会にアピールして自己顕示欲を満足させる方法の一つでもあり、自分の能力や精神の限界を見つけるための自分探しでもあります。
学生時代は研究が生きがいみたいなものだった。就職しても変わらないと思っていたが、就職先では私の研究ができない。そのとき、仕事としての研究は単なる生活手段になった。
健康に恵まれた大人の当然の義務としての社会活動
研究の仕事が好きだし、自分の持って行るスキルを活かして、成果を出していくという仕事内容が気に入っています。しかし、仕事は仕事、能力にあった待遇と評価を望みますが、一度、職を離れてしまうと、適正な再就職はなかなか難しいです。
研究職は中学時代からの夢です。家族皆が仕事を持つのが自然です。科学的事実を主張する者こそが研究職に就くべきで、自分には適性があると思います。逆に現職者でも税金を使って自分でも嘘と知りつつ事実と遠い論文ばかりを発表し仕事したと主張するような詐欺師は即刻退職し、被害者に弁償するべきです。再就職先がなければ生活保護でも受けてください。プロなら自分の仕事の責任をとって当然です。
研究職は中学生時代からの夢で結婚に優先します。
仕事イコール研究だとすると、自分を高める手段でもあります。
歯を磨いたり食事をしたりするような、毎日する当たり前のこと。
時には日常生活からの逃避場所でもあり、ストレスのもとでもある
自己研磋
自己表現の一手段。
社会の中での自分の位置を把握するためのものでもある
諸々。
選択肢全てが当てはまります。停滞気味のときは「生活手段」と割り切り、少しうまくいったときは「生きがい」。自己実現は大げさですが、自分自身のバランスを取るための大切なものです。
生き甲斐とか自己実現というほどではないけど、自己満足のため。
生活の一部で、当然のことです。でも、やめたくなることもときたまあります。
息をしているような、当たり前のこと。なんて〜。
博士論文がなかなか書けず、投稿論文もなかなか採用されない中で就職活動をしています。論文も研究も「商売」とわりきって、指導教官や査読者が気に入るようにもっていかなければ、研究者としての将来はもうないのではないかと悶々とした毎日を送っています。
なし

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アンケートや就職に関する全体的な意見

 いくつかに分類しました。また、プライバシーを考えて、文章を分割したもの、一部削除したものもあります。生の意見をという方針のもと、なるべく元文で掲載してありますので、内容に関しては、K3−NETとして責任を持てるわけではありません。

==理不尽な経験==

・教官採用基準が不透明。研究室の教授のお気に入りが学位無し・業績無しでも、本人のみに募集を知らせる「公募」で教官に採用されている。

・指導をしていただくために博士課程から移った研究室が、他研究室と合併して、「指導教官」をまったく分野違いの教授にを変更するよう強制された。

・他、理不尽な体験は多数あって書ききれない。社会人経験があるためか余計に、大学内では信じがたいことばかり行われているように感じる。

・国外調査を長期または頻繁に行う学生のみ十数名集めてせいぜい三名しか研究できる容量しかない一学生部屋をあてがわれ、机もパソコンも使えなかった。調査を終えて博士論文書きに取り組み始めた際に他学生部屋への移動と机を要求したが教官に認められず。自宅に引きこもるしかなくなった。国内/短期調査しかしない、もしくは調査を必要としない学生と同じ授業料を払っているのに不公平。

・素粒子論の分野では全く検証されていない超対称性理論・超弦理論などが流行しておりますがこの研究をする人ばかりが有給の学振に採用されたり飛び級しました。

・教官採用基準が不透明。研究室の教授のお気に入りが学位無し・業績無しでも、本人のみに募集を知らせる「公募」で教官に採用されている。

・指導をしていただくために博士課程から移った研究室が、他研究室と合併して、「指導教官」をまったく分野違いの教授にを変更するよう強制された。他、理不尽な体験は多数あって書ききれない。社会人経験があるためか余計に、大学内では信じがたいことばかり行われているように感じる。

・理不尽な体験:博士課程終了時の就職活動を指導教官に妨害されたこと、つまりアカハラ

・ 愚痴になりますが,年配の留学生が途中から同じ研究班に加わったため,その人のD論を手伝わなくてはならず,私の修論は全て(文章や図までそのままコピー&ペースト)その人のD論になりました(もちろん,先生に説得された).その後,私はD論取得に5年かかりました(ちょうど修士+博士ですね).しかも,私が主体に書いた論文もその留学生の論文数が足りないからと,著者の順番を入れ替えられました. ちなみに,その留学生のD論の謝辞には私の名前はありませんでした.(私がODのとき,その人に会ったのですが,真っ先に言われたことが「結婚はまだですか?」でした.「D論は書けたか?」の間違いだろう?!,バカヤロー!!と思いました.)今思い出しても腹が立ちます.このような操作は先生の采配で勝手に行われています.同じ工学部でも学生をどんどんファーストにする先生と,まだ半人前だからとの理由で自分がファーストになる先生と様々です.今になってみると,おかしいと思うのですが,学生のときは「それが当たり前だ」,「実際の主著者はファーストではなく2番目の人だ」という雰囲気があり,そんなものかと思っていました.一方,私がPDに採用されたときには他の研究室の人から,君のところの先生が頑張っているからだ と言われました.

・D3の時に助教授に学位取得の妨害をされたことがありました。私がD3の時に修士1年として社会人を経てから来た女性とその助教授が不倫の関係となり、被害妄想癖のあるその女性が私にいじめられたという勝手な思い込みに陥り、そのことを不倫相手の助教授に告げ口をしました。その結果、その助教授はおろかにも「敵討ち」のように、執拗に私の学位取得の妨害を始め、それはD3が終わるまで続き、結局のところD4を半年するハメになりました。その後その助教授は研究室中の人間から突き上げられ去っていくことになりましたが、辞めたのではなくどこかの「教授」になって異動していきました。「あんなんでも教授になれるんだ・・・」というその当時の在学生に大学という組織の理不尽さに対する絶望感を強烈に与えたのはいうまでもありません。

・海外でポスドクとして働いていた際に、同僚にDNAのサンプル等を無断で使用されたことがある。論文に貢献があるにもかかわらず、共著者として名前が入らなかったことがある。同僚の発表時に、貢献があるにもかかわらず、謝辞されないことがある。

・ポストに空きがないということで、職種は非常勤だが、常勤と同じことをしている。給与や保証の面で不利。ポストが空いていた時に採用された人は、業績がなくても常勤。

・大学助手の時代、教授(男性)が特定の学生(男性)をひいきしたため、学生が私の指導を無視するようになったこと。その学生には私の給料以上の収入を与えた上、機器の購入はその学生の意見だけを聞き、海外の学会はその学生だけに出席を認め、経費を負担したのに対し、私が実験をしたり学会参加することを嫌がったため、自腹を切らざるを得なかったこと。

・私は学部4年のとき超対称変換が変数変換に過ぎないことを導いていたのに、科研費を使い超対称粒子を予言する研究を推進する指導教官に3年以上単名論文を無視され、理由なく推薦書作成を拒否されました。なお彼は人事権の強いボスで、他の学生はほとんどが学振や理研特別研究員に採用されています。

・理不尽というか不可抗力というか、D3の時点で公募(雑誌に求人広告がの載っていた)で内定までもらった企業(外資)から、突然不採用の通知をもらったことがある。理由は「震災による設備投資強化のため」だそうで、その年は採用がなかったらしい。

・理不尽といえば、臨増時に、採用されたM卒の助手が、ずいぶん長く居座ってる。さらに、助教授の公募の時に、教官数の減員関係で、4名(教授1助教授1・助手2)から、教授1・助教授1・助手1にしないといけない事になって、今はともかく、当時の段階では、どう考えても、助教授戦をまともにやったら、勝ち目のない程度の実績しかない助手を、根回し一番、助教授に昇格させた。当時は、あぁ、あんなのありなんだ・・・・っと。ずいぶん、DCやPDの志気に悪影響を与えたものです。居座りを決め込む助手層には、次は私もって励みになったことでしょう。

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==求職や職探しの苦労==

・博士論文がなかなか書けず、投稿論文もなかなか採用されない中で就職活動をしています。論文も研究も「商売」とわりきって、指導教官や査読者が気に入るようにもっていかなければ、研究者としての将来はもうないのではないかと悶々とした毎日を送っています。

・公募情報として公開されていたが、出来レースだった。しかも出来レースということを公募を出した機関外の人から人づてに聞いたので、あまりよい気分ではなかった。

・紹介社会なので、知っている人からの紹介や有名ラボの出身でないと選考対象にさえならないのが困る

・助手枠は全て業績(論文)0でも、空きがあれば男性が就職し女性はPDか流動研究員までです。指導教官からもはっきりと35歳過ぎたら女性は就職先がないと言われました。評価方法を透明性にし、完全公募で勝負させて欲しいと思います。

・日本での実験助手はアメリカのテクニシャンの身分と異なり、常勤でもなく、昇進もない。今後、修士卒の実験助手が多くなるのなら、それなりの身分保障、給料体系が必要であると思います。ただのアルバイトとして教えてもらいながらやっている人と、教えなくても色々な仕事ができる人と、技術面での幅もあります。

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==子育て問題==

・抽象的ですが、私生活と研究が無理なくできる制度、とくに普通の人と同じように子育てのできる環境を望んでいます。

・育児時間を取ることを許されなかった。独立行政法人になったばかりで、職員の勤務時間が少ないと評価が下がるんだそうだ。

・繁殖するっつーのは、生き物として当然の営みでしょうが。それを充分にせずして/させずして、やれ「仕事だ」「研究だ」とエラそーに言うなや!・・・と、妊娠出産を決意した時には内心思っておりました。今を去ること20年近く前の話でございます。

・勤務していた製薬会社を退職し、夫の海外勤務(ポスドク)に伴い、夫と同じ研究所でテクニシャンをして帰国。帰国前に出産。帰国後は常勤職ではどこでもまだまだ小さい子供がいることが勤務に支障が出るとして敬遠され、結局、実験助手でしか就職することができなかった。

・選考の過程ではとにかく女性差別がひどい。特に子持ちは対象外という感じで、そういう差別をあからさまにする人に対して周囲も「子供がいるんじゃしょうがない」という感じで、みんなが人権感覚がマヒしているんじゃないか?と感じた。

・ある大学の非公式な面接で、出産するなら辞めてもらう、ということを、ほのめかされた。

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==女性特有の問題==

・親身に相談にのってくれた大学の先生(男性)から、「女性で結婚もしているのだから、常勤職をめざす必要はないのではないか」と忠告された時には、理不尽であると感じた。

・勤務していた製薬会社を退職し、夫の海外勤務(ポスドク)に伴い、夫と同じ研究所でテクニシャンをして帰国。帰国前に出産。帰国後は常勤職ではどこでもまだまだ小さい子供がいることが勤務に支障が出るとして敬遠され、結局、実験助手でしか就職することができなかった。

.業績が十分だったのに母子家庭という理由で落としたA研究所の事務官、面談の約束を2時間もすっぽかした上に「女は要らないんだよね」と吐き捨てたB研究所の某室長、電話で「女に助手は無理です」と言ったC大学の某教官、いつか偉くなったら告発するつもり。

.一番告発したいのは最初のポスドク時代のボス。「君は理想の女性だ」という言葉が続いたかと思ったら、「君は女のくせに生意気、僕を裏切った」など逆上。「女は出来すぎず、やり過ぎず、言い過ぎず自分の技術だけ大事にして上からの命令で動けばいい」などふざけた事を言ってくれた。ポスドクを自分の所有物と勘違い+セクハラで、これでは女性研究者は潰されるばかりだと思った。

・研究という仕事にプライドを持ってがんばっているつもりですが、夫があるため就職活動などの際に真剣さに欠けると判断されることが多いようです。

・就職編のアンケートに書かせていただきましたが、現職の面接の時に、現在の上司の女性蔑視的発言がありました。本来対等と思っていない女性を、形だけでも対等扱いしていただいて感謝するべきなのでしょうかね。そう思っていたら、現職の上司達が、教員が職員よりも偉いと思い込んでいる様子。何かにつけて差別したい人達だからこそ、女性も蔑視するのでしょう。セクハラを糾弾する世の中になった物の、日常の些細な事までいちいち目くじらを立てていては仕事ができません。でも、女性だから軽く扱われているフシがあるのは、仕事に取り組む意欲がそがれます。

・ 結婚を決める前は 先生に私の就職先も気にかけてもらっていたのですが,同業者と結婚することになったとたん,「就職先は結婚相手に探してもらえ」と言われました.確かに,相手に留学等の話があり,就職の条件が多少変わるとは思っていたのですが,見捨てられたようで大変ショックでした.しかも,なぜ自分で探せ ではなく,相手に探してもらえなのでしょう? 今では良かったと思っていますが,2年後輩に就職先を紹介しているのを聞くとブルーになります.

・ 修士,博士,PDと8年間も研究を続けているのに(そのうち学生が7年),「結婚しても仕事を続けるのか?」という愚問を浴びせられることがあり,びっくりすることがあります.腰掛と思われてはたまらないので,周囲の先生方に結婚すると知らせるのが躊躇われます.今では,それとなく「一生研究者としてやっていく」とアピールするようにしています.

・女性ということで、面接時に「実家に遠いけれど大丈夫か?」と質問されて、あまりよい気分ではなかった。

・結婚して子供がいますが、育児を理由に指導教授は積極的に就職を斡旋してくれません。(その結果、ひたすら公募に頼るだけです。)育児が大変だから、2〜3年のんびりしたら…というのですが、既に8年を経過しました。男性研究者には、生活が大変だろうからという理由で積極的に就職先を世話します。私は夫帯者(?)なので経済的心配がないと思われていますが、自らの専門で自らを養えない状態は屈辱です。また、文系といえども研究費(取材・資料・交通費)は相当かかりますし、保育園に年160万円超を支払う身分(昨年度まで)では、非常勤は大赤字です。それを訴えると、自己主張の強い性格と解釈されるだけです。また○○学で女性の研究者は珍しいのですが、学会では上辺だけ賞賛され、実態はホステス扱いです。学会事務の補助を全般的に任されながら、責任ある地位(役職)はありません。女性同業者が10人以上集まる学会が存在しないような現状なので、女性問題が存在していることすら理解できない研究者ばかりです。

・会社付属の健康保険組合に、女性だからと言う理由で、子供の扶養家族認定を断られた。組合も味方してくれなかった。

・就職してすぐ(雇用機会均等法直後だから15年くらい前)、組合へ、均等法の精神を全社へ徹底するために、男性管理職を対象に啓蒙活動すべき、と提案して、無視された(笑われた)。最近、セクハラ教育が社内で義務教育化した時は、隔世の感でした。

・管理課の課長から、女性技術者も全員お茶碗洗いをするよう、最年長の私からみんなへ命令せよ、との要請があった。性別によって仕事を分けることはセクハラに当たることを説明し、私たちの課へ仕事の依頼をするのであれば、人件費を出して課長へ要請せよ、と返事したら、その後で陰口をたたかれた。

・学位取得後、他大学他専攻に就職した。他専攻ながら私の研究テーマと似通った分野であり、喜んで就職した。が、実際には私の研究テーマはここでは継続不可能。何事も講座の教授の思いどうりにしなければならない。個人の興味まで教授に合わせろというのか。教授は信じられないくらい裏表のある超我侭オヤジ。

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==将来の不安==

・修士を出て、就職し、現在一年目です。この職は、偶然見つかったようなものなので、ここの契約が終わったときに(長くて3年)どうなるのかが一番不安です。

・文系の場合、大学院定員は増えたのに、就職ポストは増えない。むしろ減っている。自分なりに努力はしているが、先輩方の状況を見ても、PDの期限終了までに就職できるとはとても思えない。将来が不安です。

・自分は運良く就職することが出来ましたが、大学院の門戸が年々開放されているのに対して、ポストがあまりにも限られています。そのことを、大学院に進学する学生に対してあらかじめ知らせておくべきだと思います。(私は社会科学系なので、他は違うのかもしれませんが)さもないと、自身のプライドと自身の置かれた地位のバランスが取れずに苦しむ人が大量に出来てしまうと思うのです。(既に私の同期の半分がそのような状態です)

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==就職後の苦労==

・経験、能力のある人には、再就職といえども、それなりの待遇があってしかるべきだと考えますが、現実は、補佐員、テクニカルスタッフともに、待遇が悪いと思います。正社員でなくても良いけど、契約社員、派遣社員、テクニカルスタッフといえども、能力のある人を望む職場もあると思うのですが、全般に、待遇が悪いところが多すぎます。もっと、女性技術者の再雇用に適したシステムがあっても良いと思います。

・修士時代の元同級生(失業中)に、酔っていたのかもしれませんが、電話口で「死ね」などと罵られたことがあります。人文社会系の中でも特にポストの少ない分野であり、優秀な先輩もまだ職を得られずに苦労していることは十分理解しているので、常に大学院時代の同級生や先輩と接するときには気を使っていたのに、ここまで言われると悲しくなります。

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==理想とする制度や提言==

・国立大学所属者が他国立大学に進学する際には入学金を免除するべき。

・とにかく純正公募が少ない。

・書面だけでは本当の公募か出来レースか分からず、人づてに調べたり、調べる事が出来ずにムダな書類を書く手間が大変だった。そもそも、どのような人物を期待しているのか公募の書類からは分からず、どのような人物が採用されたのかという情報も提供されていない。これではどのような戦略で応募して良いか分からないし、不公平感ばかりが増大する。

・ポスドクを2回経験して感じたのは、日本ではポスドクの身分が全く確立されておらず、一方的な解雇など人権も守られていない。行政も雇用者側もポスドク側も「研究者は国の資産である」という意識が低すぎる。

・ポスドクなど任期付きの研究者と常勤の間に全く実力の差が見られない事もいつも腹が立つ。その時にコがあっただけの理由で常勤になった人が多く、そういう人が同じ職場でヌクヌク仕事をしているのを見るのは不愉快だ。

・研究者の多くが、アカデミックにどっぷり漬かり、アルバイト経験も乏しい世間知らず。特にヌクヌク常勤組は自分がどれだけの義務を負っているか自覚が無い人が多い。

・採用後の評価体制も明確にして、採用されたら「すごろくのアガリ」だと思うような風潮も是正すべき。

・国立大学所属者が他国立大学に進学する際には入学金を免除するべき。

・自分は運良く就職することが出来ましたが、大学院の門戸が年々開放されているのに対して、ポストがあまりにも限られています。そのことを、大学院に進学する学生に対してあらかじめ知らせておくべきだと思います。(私は社会科学系なので、他は違うのかもしれませんが)さもないと、自身のプライドと自身の置かれた地位のバランスが取れずに苦しむ人が大量に出来てしまうと思うのです。(既に私の同期の半分がそのような状態です)

・できるだけ純粋な公募が増えると良いと思う。自分も東大卒の恩恵を受けながらこれを言うと自己矛盾かとは思うが、ろくな業績もないのに東大院修了の御陰で専任アカポスに就いた人間が結構多い。勿論、今後(今既に)状況は変わって来ているが。

・制度としては、その職場ごとに業績、社会貢献、教育などを主軸とした評価系を立て、採用結果を後に公表できる形にして行くことができればいいのではと思います。性別、家族構成、年齢(学位取得後の年数は評価の対象になるべき)は評価の対象からは除外されるべきだと思います。その代わり、そのポジションごとの条件は明確にしておくべきであると思います(例えば、はじめ3年は大きな休暇を取ることはできない、など)。
急な改革は大きな混乱が予想されるので、現実的なことから徐々に新制度に移行して行くのがよいかと思います。

・ 女性が大学教員になりやすくするには、産休時に代用職員を採用できる制度は不可欠だと思います。個人的には一時的に女性優遇になったとしても、数値目標を含むポジティブアクションの導入は必要だと思います。

・米国なみの公募体制、公正な審査体制、機会均等(性、人種、年齢で差別しない)が理想。

・日本の大学院時代の教官が、学位を取得、卒業して海外に出立後で在籍していないにも関わらず、無断で自分の名前を国内のグラントプロジェクトの研究員(その教授の所属研究室の職員)として届け出て、カラ雇用による人件費搾取の片棒を担がされそうになったことがあります(未然に防ぎましたが)。海外のポスドク公募制度のように、教官がお気に入りの院生を子飼いにするのではなく、学位保持者がよいPIを選ぶ、新しい淘汰の制度をつくっていくことが重要と思います。

・業績が論文の本数で測られているように日頃感じるが、テーマに対する熱意や、自分の技術に持つ自信の方が、評価すべき点ではないかと思う。

・少子化その他で大学での専任の道はますます塞がれています。ならば、非常勤という奴隷制度を人間並みの生活ができる状況まで引き上げ、研究者として対等に扱うべきでしょう。具体的には一コマ5万円、健康診断の実施、紀要への論文掲載許可、コピー機使用の権利を認めて欲しいと思います。専門性に見合うコストがあまりに無視されていると思います。大半が奴隷で運営される大学では、文部科学省の唱える大学改革も不可能でしょう。

・税金関連で) サラリーマン経費の対象を広げて欲しいと思っている(スキルアップに積極的になれる)。
事務的な事で)契約書はきちんとつくっておこう。

・過渡期の対策として、男性パートナー(事実婚含む)に、育児休業(3ヶ月以上)の義務化。今まで取得していなかった人も含む。

・年金と税金の制度。健康上の理由で就業できない人以外の配偶者控除の廃止。

・生命保険や交通事故補償が、性別により別な査定になることの禁止。

・就職の際には完全公募、それがだめならせめて採用過程を全て公開し、採用理由・不採用理由を全て明らかにする、というのが就職に関する理想だと思っています。といっても、私自身があとのアンケート回答でも示すように、完全公募で採用されたわけでもないし、採用時に業績があったわけでもありません。でも、自分のことを棚にあげなかったら、いつまでたっても、公募以外で採用された人が採用する側に立ったら公募以外でしか採用できなくなるという悪循環を断ち切れないだろうと思います。今は、とにかく、完全な公募で他大学に脱出することで、最初の採用の負い目をなくしたいと思っています。

・昔に比べれば流動研究員職のポストは多くなっているようですが、学位を取った者が必ず職につき、その後も流動できるくらいのポスト数が必要であると思います。

・大学院生、特に博士課程の大学院生が急増し、少子化による教官数減などアカデミックポジションの減少から、学位取得=一人前の研究者であるという幻想は捨てるべき。学位取得後、出身大学を離れて積極的に企業や他の研究団体で修行し、実績のある者が再度評価されアカデミックポジションに就くことで情実人事はある程度避けられる。一方で完全な競争は過度の個人主義を生み、研究機関では成り立つが、次世代の研究者を育てる研究教育機関には馴染まない。ある比率で出身大学者を優先して採用することも学生の母校愛を育む上で必要と考える。

・とにかく純正公募が少ない。任期制度を助教授くらいまで拡げて(まずは7年任期、その次の5年は研究費半分、さらに次の5年は研究費半分給料半分など、急に職を失うのではなくある程度異動の時期を自分で選べるもの)人材の流動化を促して欲しい。

・常勤、非常勤にかかわらず仕事の継続と成果が評価され、公的な場(21世紀COE評価委員、重点領域プロジェクトリーダーなど)で、女性研究者が力をもつこと。年代によって見解の相違があると思いますが、「さらなる継続力」「ここ一番の政治力」が次の目標。

・少数の人が権力を握ったり,一部の人に大きな負担がかかったりしないような制度が望ましい.米豪型のワークシェアリングが進むといいと思います.

・男女とか年令で考えるのではなく,個人の能力に応じた採用人事,仕事分配が行われることが望ましいです.

・いわゆる「雑用」の評価について,やらなければマイナス換算されるのではなく,行った分の仕事は,鈍な小さなことでも,雑用だろうがなんだろうが,プラス換算される雰囲気が欲しいです.

・具体的には,やった分の仕事すべてについて,その時の上司なり指導教官なりの推薦書を添付するようにすれば良いかと思います.

・自由に参戦できること。柔軟に離合集散が出来ること。

・就職に関しては実力本位の制度になって欲しいと思います.その方が大変ですが,努力の甲斐もあるし,諦めもつくと思います.ただ,実力の判定に際しては論文数だけ出なく,教育や研究に対する考え方,組織への貢献度などを考慮して欲しいと思います.また,結婚や出産がデメリットにならないような配慮が欲しいと思います.最近では子育てをする男性も増えていますので,この問題は女性だけではないと思います.(子育をする男性は,厄介視されることもある)

・理想とする制度として、1年の産後休暇とその後、夫婦で分担できるような育児休暇(50から80%勤務など)といった制度。

・採用に当たっては、有力教授の力が物を言うようなものではなく、少なくとも透明な選考制度が理想かと思う。また、選考に当たって結婚・妊娠・出産等の可能性(あくまでも)を理由にスポイルするようなものは罰則の対象であることをそれぞれの機関で定め、きちんとチェックする様にして欲しい。

・日本での実験助手はアメリカのテクニシャンの身分と異なり、常勤でもなく、昇進もない。今後、修士卒の実験助手が多くなるのなら、それなりの身分保障、給料体系が必要であると思います。ただのアルバイトとして教えてもらいながらやっている人と、教えなくても色々な仕事ができる人と、技術面での幅もあります

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==現状や経験==

・若い研究者にチャンスがない。特に日本では、研究やプロポーザルの質の高さ、独創性ではなく、これまでの実績で研究費、ポジションが決まる。これでは新しい事起こらない、起こそうにも非常に難しい。研究者は博士時代に研究した分野やトピックに固まってしまう。私はこれまで3つの異なる分野で研究してきた。最も力になってくれる、博士時代の恩師の手の届かない所まで行ってしまった。限られた時間の中でクオリティーの高い仕事してきたと思うけれども、期間が短い分、量や人的コネクションに欠けた。その結果、日本では自分の求めるクオリティーを実現できる場所が無くなってしまった。それは若いため、各分野でも経験が浅いため。不思議な物でアメリカからは2,3のトップクラスの研究グループからオファーが来た。これが、日本の研究コミュニティの現状ではないだろうか。まだまだ村制度が生き残っている。

・指導教授の推薦を一切受けずに,公募の職だけを渡り歩きました(その代償として,「4年間」無職でしたが...).最初のポスドク職(アメリカ)も自分の力でgetしました.学会で自分の仕事をアピールし,それを支持して下さった先生方に推薦書を書いて頂きました. 現在の研究所の職も完全公募で入りました.日本での理不尽なことを上げだしたら,きりがないです.また,アメリカ時代はもっと理不尽な扱いを見ました.「理不尽な扱いを嘆くよりも,業績を積み上げて,見返す努力をしなさい.」と言いたいです.公正な公募は増えいると思いますよ.

・本当に個人的な感想として、掲示板を拝見していると研究分野、大学、研究所によって採用状況にかなり差があるようですね。助手はすでに公募が当たり前になっている、と言う意見もあるようですが、私の近辺ではそんなことは全くありません。任期付きの職ですら選べるような状況にはありません。また、何回か経験したのですが、公募によらない採用のときに、待遇(給料、保険等)の提示を一番最後になって初めてする人が多いです。勇気を出してこちらから尋ねても、ボス自身が把握していないので、答えられないようです。条件の提示がないまま研究内容と事務手続きの説明だけされるのもおかしいと思うのですが。

・ところで,論文に関してですが,私のところでは打ち合わせに出ているだけで,連名にしてもらえる人がいる,就職を控えている人がいると連名に加えさせられる,順番を入れ替えられる,文章訂正のみでも主著者が学生だと先生がファーストになる,など 納得がいかない状況が蔓延っています.ですから,論文数が多いと言っても,必ずしも本人の実力があるとは限りません.

・博士後期課程入学以降、様々な体験をし、それらを未だ自分の中で消化しきれておらず、ここに書くことができません。

・日本の社会全体の「常識」を変えるのには、気が遠くなる時間がかかると思いますが、

・学位については、いろいろな思いがある。

・元・国立研究所では任期つき研究員といっても、よっぽどでない限りパーマネントになれると上司から聞いており(私がそれを希望しているかどうかは別問題ですが..)P8の選択肢が常勤と期限付きで分かれているのは、うちの研究所に関して言えばあまり意味がないのかなと思いました。昨年ポスドクだった経験からすると、ポスドクと任期つき研究員の差は大きいような気がします(単にボーナスが出る出ないの差でしょうか??)。理不尽な体験をしたことは特にないと感じていますが、子どもが生まれると仕事に割く時間が物理的に減ることは事実です。要は密度が濃ければいいのよ、と自分に言い聞かせています。

・自分が大学院教育を受けたところ(日本)のラボは非常にいいラボだったと思う.日本にもいいラボはいくつもあるし,海外だからといっていいとも限らない.ラボはボスによると思うし,個人のよると思うけれど,学部生,修士くらいだと,学生自身の立場も弱く,女性は悩むと思いますのでそういうことのないようなラボを作りたいと思う.

・研究職の流動化が言われており、研究を活性化するためには確かにその通りだと思うのですが、一方家族を持っていると比較的長い期間で生活設計ができ無いと困るのも事実で、そういう観点からはパーマネントの契約が有った方が望ましいと思われます。一研究者としてはなかなかベストな答えが分かりません。

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==アンケートへの意見==

・このアンケート結果の発表を是非今後の参考にさせていただきます。

・出身大学で東大のワクがあるのは、やはり、東大出身者はなにかしらメリットがあるということですか。そのあたりも興味があります。

・ご存じのことと思いますが、インターネットで不特定多数に行うアンケートには限界があります。すべての研究者に対するアンケート(または無作為に抽出した方にお願いするアンケート)と異なり、こういった「アンケートを書きたい人が自由に出すアンケート」には、現状に不満がある層が多く参加します。すなわち不平不満派の意見に偏向しがちであり、けっして研究業界全体の公平な意見分布にはなりません。主催者はそれを自覚して、データをまとめて頂きたいと思います。

・本アンケートで東大と他大学を分けて記述することの意味がわからない。

・P10,11は,一応研究職のことで書きましたが,実際は学卒で民間企業に就職していますから,最初の常勤職就職は20代前半です.どうもここのサイトは理系に偏っていて,常識が違いすぎるところが気になります.文系では男女共に実務組がたくさんいます.

・「会議室」での議論は、カラ回りしているように感じます。議論のための議論なのかと思うことがあり、時々それに似た指摘がありますが、対する返答がにべもない印象なので参加者の門が狭まっている気がして残念です。それを除けば、他は大変良い交流の場となっていると思うので、毎日、楽しみに見ております。

・どうでもいいのですが、なぜ「東大」だけ別枠なんでしょう?

・本アンケートの集計結果を是非みたい。既に常勤職に就いている方々の、就職活動プロセスを知りたい。

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